312 三俣蓮華岳2841m〜鷲羽岳2924m 交通 新宿−高速バス−平湯−タクシー−新穂高温泉 3人
2006年8月10日(木)〜12日(土)
 1週間の連続休暇が取れたので北アルプスを歩く予定でいたら同じ会のメンバーに黒部源流を歩く計画がありそれに乗っかることにした。このコースの北半分はかつて七倉温泉に車を置き高瀬ダムから水晶小屋まで往復したことがある。その時は雨で水晶岳までは行けなかった。今回は予備日も含めると6日なので余裕の縦走である。
 8月10日、新宿発23時高山行きの高速バス。この切符は事前にネットで確かめたら満席。しかし電話で問い合わせたら4席分空席ありとのこと。それで仮予約し当日、発車1時間前に乗り場に集合、切符を手に入れたもの。新宿の乗り場には全便満席の表示があった。
 バスは定刻どおり午前4時前に平湯温泉に到着。ここで7時発の新穂高温泉行き路線バスに乗り換えの予定だった。しかし若い女性2人組がタクシーの相乗りを申し出てきたので同乗することになった。
 それで新穂高にはまだ暗いうちに着いてしまった。仮眠するつもりでいたが仮眠をとらず、結局3時間も早いスタートとなった。 これが吉と出るか凶と出るか?
全行程図 (8/11-8/15)
 
 8月11日 新穂高5時35分発。早朝なのにダンプカーがひっきりなしに走る左俣林道を歩く。40分程で二股となる。地図にない道なので迷ったが左は穴毛谷の治水現場へ行く工事用の道、と考え右に進む。
 さらに20分程歩くと笠新道入口。水場があった。ここから日帰りで笠ヶ岳へ往復するらしい数組が登っていった。
 6時55分わさび平小屋。まだ平坦な林道歩きなのだが寝不足と暑さで頭がボーとしている。
 7時40分林道と別れるといきなり雪渓。「右側をお通り下さい」の札を無視して直進するとスノーブリッジに出くわし結局右下へ迂回する。

7:32
わさび平付近の林道を行く
 8時10分秩父沢の架橋。振り返ると穂高連峰が見えてきた。先行するリーダーのIさんとM女史は日向の川原で休憩。私は暑いので手前の林の中の日陰で休憩。
 8時22分沢の上部の雪渓の上を歩き始めたが上がり過ぎて道を失い赤布を頼りにヤブの中を下り正規の登山道に出る。
 道の傾斜は緩いのでリーダーのIさんはどんどん登っていく。Iさんは岩や沢などのバリェーションをやる人でハイパワーである。私とMさんはだんだん遅れていった。
 30分ほどしか歩いていないが軽い嘔吐感を覚え、休憩。熱中症?こうなったらマイペースで行くしかない。細かく休憩を取ることにした。
 9時25分まだ元気だったMさんに症状を伝え先に行ってもらった。10分程単独で歩いたがIさんとMさんが待っていてくれた。再び3人で歩き始めたが今度はMさんが足をつったらしく遅れだす。さすがにIさんもペースを落としゆっくり行くことになった。
 11時15分鏡平。槍ヶ岳が池に映る有名な場所。大勢が休んでいた。鏡平小屋で大休止。かき氷(500円)やジュース(400円)で体を冷やし、景色を見ながらベンチでごろ寝。Mさんは上半身が日陰になるように小屋前で横たわる。手足が痺れているらしく私以上に重症である。症状が軽くなるまで待つことにした。
 
8月11日

8:21
秩父沢の架橋 穂高の稜線が見えてくる
 12時20分、ウトウトしていたら、Iさんが二人分のザックを担いで先に行ってしまった!! −おいおい、もしMさんがここに泊まる、もしくは下山する、と言ったらどうするの?−
 12時50分仕方なく出発することにした。Mさんは私の行動食を口にするまで回復した。30分程でIさんと合流。「ザックがないので否応なく来るだろう」だって。IさんとMさんは昔からの山仲間でMさんが先輩。だからこんなイタズラができた?!
 弓折乗越に13時50分。ここからは稜線歩き。両側は残雪とお花畑である。すっかりゴキゲンになる。
 15時10分双六小屋着。早速生ビールで乾杯。双六小屋は水の豊富な快適な小屋だった。

11:13
鏡平 お馴染みのアングル

11:17
鏡平小屋

14:05
弓折乗越

14:38
西鎌尾根

15:09
お花畑 遠景は笠ヶ岳

15:09
双六小屋

15:57
小屋前から鷲羽山を眺める
 8月12日 朝4時、雨の音で目を覚ます。天気予報では昼ごろから雷雨だったが夜明け前から雷雨。出発を遅らせる。
 6時雨がやんだので出発。昨日の轍は踏まず、今日からは私が先頭を歩くことになった。小屋の裏手の急登を一登りで分岐の標識。6時20分、双六岳へは行かず、カールを巻く道を選択。稜線はまだガスっている。
 三俣峠7時45分。空身で三俣蓮華岳往復することにした。昨日から山頂らしきものを踏んでいなかった。
 8時05分頂上。初め霧の中だったが劇的に好転。薬師、鷲羽、笠、黒部五郎の順に雲が取れた。
 9時三俣山荘前。この小屋も水が豊富だった。玄関前に無料の水汲み場があるくらいだ。
 ハイマツをくぐり抜けジグザグ道を登り鷲羽岳に10時30分着。日差しが強かったが風もあったので楽に登れた。やはりマイペースが一番。

7:19
双六カール
8月12日

 鷲羽岳でゆっくりするつもりでいたがいつの間にか雲が増えてきた。槍ヶ岳方面は白い積乱雲、すでに雲頂はカナトコ状に崩れている。薬師岳方面は黒雲。天気予報を思い出し、先を急ぐことにした。
 ワリモ岳11時12分通過。ここからは水晶岳が目の前である。標高差は100mもない。天気が良ければ1時間ちょっとで行けるだろうに。
 雨がポツリポツリ降ってきた。岩苔乗越11時35分。雨具を着けて弁当を食べてるグループがいた。我々も雨具を着た。この先は祖父岳へ緩く登るハイマツの道である。遠くで雷鳴が鳴り出す。ワリモ岳の稜線を見上げると10人位が隊列を組んで歩いている。稜線は怖いだろうなあ〜。
 Mさんの髪の毛が逆立ってきた。化繊の雨具が擦れたので静電気が発生、ということにした。雨で湿度が高いので静電気は発生しにくい。本当は…
 ハイマツの陰で5分ほど待機。雷鳴はするが雷光は見えない。まだ雲間放電だ。また歩き始める。梯子が現れたのでの手前でまた待機。雷雨の中ハシゴを上りたくない、という心理。稲妻が走り雨が横殴りとなる。結局30分間ハイマツの陰に身を潜めた。(12:15-12:45) 雨が小康状態になったので頂上目指す。
 12時56分、大きなケルンのある祖父岳は写真を撮っただけで通過。まだ雷が収まっていない。頂上から下るに従い天気が回復。
 14時05分一面のチングルマ畑の雲ノ平に着いた。青空のもとビールで乾杯。

8:06
三俣蓮華岳山頂
着いたときはガスっていた

8:12
黒部五郎の雲が切れる

10:18
鷲羽池

10:44
鷲羽岳山頂

11:34
岩苔乗越 正面が水晶岳(黒岳)

11:53
雨雲かかるワリモ岳と鷲羽岳

12:56
祖父岳 後方は黒部五郎岳

13:16
雨上がる雲ノ平 前方は薬師岳

14:04
雲ノ平山荘

15:53
雲ノ平に夏空戻る






8月13日に続く