常磐線に乗って高萩の土岳に登る。「土岳」とは随分地味な名前だ。「山と渓谷社」2010年発行の『新・分県登山ガイド(茨城県の山)』に乗っている山頂写真からは石を野積みしたような採石場を思わせる。しかも高萩駅からのバスは平日以外は「和野入口」までしか行かない。土岳登山口まではさらに6.5kmもある。 　公共交通機関が使えないことが分かった時点でこの計画はあきらめかけた。でも茨城県の観光案内を見て「花貫ダムからは海が見え、花貫渓谷は新緑まっさかり」とあったので山登り、というよりが渓谷ウォーキングとして行くことにした。 　高萩駅８時25分発の高萩協同病院行のバスに乗る。乗客は数名。もちろん登山者(観光客も含め)はいない。８時40分和野入口で下車。バスはその先で右折し和野方面に行く。ダム方面へは国道461号線を直進する。帰りのバスの時刻をメモして出発。歩道のない国道を車に気をつけて歩く。大型トラックが来たら危険だから立ち止まるようにした。花貫ダムまで2.4km、40分位との予測通り９時20分ダムサイト着。しかし管理事務所は閉まっていて堰堤への道は通行止め。夜間・休日は係員が不在との張り紙あり。ちょっとがっかり。 　腰掛ける所もなさそうなのでそのまま国道を歩く。幸いダムから先は遊歩道があって安心して歩けるようになった。９時40分「名馬里ヶ淵」(なめりがふち)　トイレとベンチがあり最初の休憩。近くに大きな駐車場があり観光客がチラホラ。ここは高萩の観光10選とかになっている。 　10時左に分岐する道路があったがそのまま直進。10時05分新旧の国道分岐。ドライバー用に大きな看板があった。道路を横断して旧道に入る。新道の下をくぐると大きな駐車場がありその先に「不動滝」の看板を発見。寄り道する。旧道なのでほとんど車の往来はない。 　10時32分汐見滝吊橋と汐見滝。２回目の休憩。渓谷をそのまま進むとキャンプ場。その先に小滝沢登山口10時48分着。観光バスが２台停まっていた。ここからやっと山道になる。
８：４１ バス停「和野入口」　山はまだ遠い	９：１５ 花貫ダムに着いた
９：４８ 花貫渓谷　「名馬里ヶ淵」	１０：０６ 新旧国道の分岐点
１０：１６ 不動滝	１０：１８  乙女滝
１０：３３ 汐見滝吊橋	１０：４８ 小滝沢登山口
10時50分登山口発。「ヘビに注意」の看板があったので緊張したがヘビもクマもハチもいない歩きやすい道だった。11時16分「大黒岩」と名付けられた岩がありそこから岩がちの道になった。11時20分奥の院への道を左に分ける。かすかなフミアトしかなくしかも「ヘビに注意」の看板がまたあったのでわざわざ行こうとは思わない。 　11時25分小学生の大群が下山してきた。ちょうど滑りやすい急坂の個所だったので通過するまで待つことにした。辺りは赤いゴヨウツツジが咲いていた。 　11時30分再び歩き始めるとわずか5分で「山頂まで10分」の標識あり。道が平坦になり下って登り返したら山頂だった。11時45分着。手前のピークの方が高かったような気がするがこちらに三角点があった。	１１：２０ 土岳神社奥ノ院への分岐
１１：２９ 小学生の集団とすれ違う	１２：０９ 山頂より竪破山(658m)を望む
１２：１２ 三角点標識	イメージしていた山頂とは趣きが違っていた。広い芝の広場と言う感じ。先ほどの小学生が百人いても休憩できる広さがある。展望台とアルファベットのCの字形の山名標示版があった。富士山や日光連山まで見えることになっていた。 　時々雨粒が落ちてきたがそのまま昼食。展望台に上がったりして30分ばかり過ごしたがもう誰も来なかった。 　来た道と反対側の中戸川へ下山することにした。幅の広い緩やかな道を10分も下るとけやき平のキャンプ場に着いてしまった。ここまで舗装路が延びてきている。車が一台、管理人さんだった。 　左折しキャンプ場の中を突っ切ると下山口があった。 　あまり歩かれていないようで沢沿いの個所が一部不鮮明だったが12時55分中戸川にでた。
１２：４０  手入れの行き届いたスギ林	１２：５５ 中戸川登山口
中戸川から舗装路を２時間も歩くのかと思うとうんざりだ。天気は回復し青空になった。日陰を選んで道路の左を歩いたりまた右にもどったり。 　名馬里ヶ淵辺りまで戻ってきて足の裏がヒリヒリするので絆創膏を貼った。舗装路は足にこたえるなぁ。ダムの管理事務所で時計を見たら14時20分だった。次のバスは15時02分なので急げば間に合うかもしれない。下り道だったので帰りは30分で戻れた。和野入口バス停14時50分着。 　バスは数分遅れて来たが15時25分高萩駅着。上り列車は15時37分始発なのでストレスなしで帰宅できた。	１５：２６ 高萩駅前　長久保赤水像

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