326 天狗岳 2645m 交通 新宿−JR−茅野−バス−奥蓼科温泉郷 2人
2007年3月10日(土)〜11日(日)
 北八・天狗岳へ。最初の計画では初日に高見石経由黒百合平まで、翌日天狗岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉経由美濃戸口下山だった。しかし二つ玉低気圧の接近で天気は悪化との予報があり計画の実行が危ぶまれた。
 内陸性気候帯である八ヶ岳は前線通過時に少し荒れる程度で2,3日と暴風雪になることはないと判断。計画縮小の可能性ありとの条件付で実行ということにした。というのも同じ会からもう1組4人が天狗岳を目指していたからである。
 10日 新宿8時発のスーパーあずさ5号に乗る。自由席は8割程度の乗車率。列車は定刻どおり10時08分茅野駅着。街に雪は全くなかった。10時20分奥蓼科温泉行きバスで終点渋温泉11時19分着。旅館前も雪はない。積雪期でこんな寡雪なのは初めての体験だ。
 

 今日中に天狗岳往復することにしたので高見石経由ではなく直接黒百合ヒュッテに向かう。11時30分渋温泉出発。
 橋を渡り尾根の登り初めが急坂で凍っている。しばらく降雪がなかったと見えてコース中央はつるつるである。ここはアイゼンを着けるところだが我慢して登りきる。
 12時10分展望台からの道が合する手前でアイゼンをつけたがこの先黒百合平までもう凍結路はなかった。13時30分黒百合ヒュッテ着。
 青空だが巻雲がだんだん増えてきているのでやはり明日の天気は期待できない。宿泊手続きをして14時30分小屋発。中山峠経由で東天狗に登った。頂上手前の大岩に1箇所鎖場があるのだが完全に雪の下。少雪とはいえ3月の八ヶ岳は積雪が多い。


12:23
樹木に着雪はなく路面はつるつる

13:29
黒百合ヒュッテ前の小丘
 15時30分頂上着。湿度が高いのか春霞のかかったような天気で北アルプス、浅間山方面がぼやっと見えた。南の方角からは黒い雲が流れてきていて硫黄岳までは見えたが赤岳横岳は雲の中。中央アルプス方面は不気味なオレンジ色に輝いていた。
 下山は『天狗の奥庭』と呼ばれる岩稜帯を通ってみた。だだっ広い尾根コースなので視界が悪いと道を見失いそうだが今は大丈夫。16時30分ヒュッテ着。


15:10
蓼科山 手前の白い所が『天狗の奥庭』

15:22
前方の岩が頂上

15:29
頂上から南を望む

16:10
『天狗の奥庭』から振返る 左が東天狗
もう西天狗まで雲がかかってきた
11日 窓の外は真っ白だった。玄関の前のトレースは消えていた。20〜30cmの新雪。予想通り寒冷前線が通過中。気温−7度。それほど寒くはない。出発予定を8時にズラす。
 昨日天狗に行けなかった4人組と森林限界まで行ってみることにした。トレースのあったところでもハイバックの靴がすっぽり潜るくらい。それも中山峠まででその先天狗岳方向は全く人が歩いた形跡がない。昨日の記憶を頼りに森林限界までラッセル。冬山は初めて、という人もいたので冬山の厳しさ、楽しさを体感。


8:41
ツーショットを撮ってもらった

8:56
積雪は膝下くらい
 8時40分中山峠に戻り中山へ向かう。ここからはまた2人。風の強い箇所はトレースが消えているが今朝歩いた人の踏み跡が残っていた。
 中山の標識を過ぎて200m程で中山展望台。ここは強風が吹き抜けていた。標識に従い右に90度曲がるが樹林帯に入ったところで間違えに気づく。磁石で確認すると北東方向に進みかけていた。ここは北に行くべきところ。
 左に進路変更し樹林に入ると赤布とはっきりしたトレースを発見。あぶない、あぶない。樹林の中はトレースがはっきりしていた。


9:12
展望台はこの先

10:14
強風帯の『賽の河原』
 
 9時55分高見石小屋前通過。賽の河原も風の通り道。トレースは消えてなくなっていたが、10m位の細かい間隔で赤布のついたタケザオが設置してあった。小屋の人がつけてくれたのだろうか。おかげで落とし穴に落ちることなく安全に大岩の河原を通過できた。
 10時55分渋の湯。11時30分発のバスまでに温泉に入れると思ったが、雪の中でスパッツやオーバーズボンを脱いだり、ピッケルを収納したりしているうちにタイヤチェーンをガラガラいわせバスがやってきてしまった。

 気づけば上空は青空になっていた。

 帰りのあずさ号は強風のため遅延、東京も午後から木枯らし。寒の戻りとなった。
戻る