294 | 赤鞍ヶ岳1299m 菜畑山1283m | 交通 | 中央道相模湖IC=青根=国道413号=道志村役場 | 2人 |
2005年12月28日(水) 晴れ |
丹沢の北西に位置する道志の山々は地味でヤブがちである。交通の便がよい中央線沿線の山は東京から日帰りハイキングでよく行くがその南の一山越えた道志はマイカーを使わない限り日帰りは難しい。夏場は暑く、冬は道路の凍結が怖いので今まで行ったことがなかった。今回年末にチョッとした休みが取れたので赤鞍ヶ岳から菜畑山を歩くことにした。 地形図には本坂峠から菜畑山にかけては道の記載がないが郡界尾根なので仕事道はある、車を村役場に置けば国道歩きもたいして苦にならない長さになる、と判断。 |
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8時40分道志村役場。迂闊にも通り過ぎで村はずれの床屋さんの所まで行ってしまいUターン。役場の隣は消防署で国道の両側に駐車場がある。これを見落とすなんて失敬! 役場は大掃除の真っ最中。今日は仕事納め。 8時55分出発。2,3分歩くと公衆トイレがあった。凍結防止のため水が流しっぱなしになっている。多分山の水だろう。 小学校を過ぎ小さな川を越えると大栗地区。2mを越す大きな石碑の脇の車道を左折するとT字路にぶつかる。コンクリート舗装の林道である。左折し最初のヘアピンカーブの所に真新しい「赤鞍ヶ岳登山口」の大きな看板があった。9時17分。急な階段を上るとしっかりした登山道がついていた。 9時32分鉄塔の下で服装を整える。寒いと思って上着を着こんでいたが汗ばんできた。朝日を浴びた富士山がくっきり。今年の富士は寡雪である。 稜線には岩場とその右の緑色の草地。今の時期緑色なのは笹原であろうと気づく。赤鞍(赤倉)のクラとはこの岩を意味しているのだろうか。 |
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10時4分、「ゴトウ石」と岩にペンキ書き、何かいわれのある岩なのか?この先砂地の滑りやすい道となる。手入れの悪いヒノキの植林帯を過ぎると傾斜が緩み巌道峠からの縦走路に出る。 10時35分最初のピークで小休止。そこから10分程で雨量計のある通称ワラビタタキ。ここには1257mの三角点があり10年以上前に出版された「東京周辺の山」(山と渓谷社)にはここを赤鞍ヶ岳とし、赤鞍ヶ岳を朝日山として解説してある。三角点は笹の中。北側のくぼ地なのでここだけ靴が潜るほどの雪が残っていた。 ウバガ岩辺りは痩せ尾根となっていて正面に富士山。この先ずっと富士を見ながらのハイキングと思ったが尾根の北側を歩くことが多く、大峰と菜畑山以外ではよく見えなかった。 |
9:33 鉄塔下から |
10:53 ワラビタタキ(別称 赤鞍ヶ岳)の雨量計 |
11時38分秋山峠。頂上まであとわずかだが一面の笹が道を隠していた。赤鞍ヶ岳1299mの頂上は雑木林で木々の間からわずかな展望を得るのみ。風の通り道で寒いので写真を撮っただけで通過。陽だまりの南面を探して先を急ぐ。 次のピーク大峰で昼食タイム。12時丁度。冬なのに、のんびり腰を下ろしての休憩。風はなく暖かい。 (余談だが20年以上前の日地出版社版登山地図ではここが赤鞍ヶ岳になっている。三角点がないが故に位置が適当?と、いうよりも赤鞍ヶ岳というのはこのあたり一帯の通称なのではないか、道志村から見ると馬の鞍のような形の山並みを朝日が赤く染めていく…) |
11:44 赤鞍ヶ岳(通称朝日山)の山頂標示 |
12:30 クマザサをかき分け進む |
山名のいわれに想いを巡らしながら、12時20分大峰を出発。笹が深くなる。岩戸ノ峰12時44分、ここから笹薮の急下降、本坂峠へ降り立つ。13時5分。ヤブ道は終わり歩きやすくなる。ブドウ岩ノ頭が高くそびえるように見えるが実際には標高差70m10分の登りであった。 ブドウ岩ノ頭1224mからは菜畑山の東屋が見えたがこの先に120mの下りと180mの登りがあるので1時間近くかかった。 菜畑山に着いた途端前方に富士山が。この山のウリはこの展望だ。大室山も近い。展望を楽しんで下山。 15分でテレビ塔のある林道終点へあっけなく着く。アスファルト舗装されているのでここまで車で来れば先ほどの展望がわけなく楽しめてしまう。 |
13:42 菜畑山は指呼の間に見える |
富士山をバックに |
大久保へ降りる道が地図には載っていないが、2つ目のヘアピンカーブの先に村が立てた真新しい標識があった。それに従って山道に入ると無事大久保の集落に着いた。 国道を走る車の音のする方へ左折、右折を繰り返すと、「久美愛前」のバス停へ出た。ここから役場まではわずかな国道歩きであった。 |
14:22 菜畑山から見た大室山 |
14:22 菜畑山は富士山の好展望台 |
一部ササが深いとはいえ道は明瞭である。必要なのは大栗集落から登山口へ上がるまでと大久保集落から国道へ下る道を一発で見つける勘である。 余談:我が家の本箱を探したら昭和36年国土地理院発行の5万分の1地形図が出てきた。菜畑山に赤鉛筆で印がつけてあった。40年越しの計画?といったら大袈裟かな〜。単に忘れていただけか。 その地形図は戦前の図版をそのまま使っているので右書きで「岳ヶ鞍赤」と表記。山の標高の表示はなく隣のピーク(我々が昼食をとった大峰付近)に1291mの黒点が書いてあった。赤鞍ヶ岳には三角点がないから標高表示する義務もないわけだ。ガイドブックなどでは分かりやすい朝日山の名が赤鞍ヶ岳に取って代わり、雨量計のある1257mの三角点を赤鞍ヶ岳としたのではないか? |