280 恵那山2191m 交通 国道153−昼神−県道83−村道−臨時駐車場 1人
2005年8月14日(日) 晴れのち雷雨
 恵那山といえば中央アルプスの南の外れ、どちらかと言うと名古屋寄りに位置する。関東からは百名山目的でなければ行かないような遠い存在である。
 今回は空木岳登山計画が天気不順で頓挫しその代わりとして南木曾岳とともに登ることにした。登路は従来からある神坂峠からではなく公開されて間もない広河原から一気に頂上を目指すコースを選んだ。

 飯田から昼神、園原と経由し阿智村の臨時駐車場に着いたのが7時頃。すでに7,8台の車が停まっていた。この先は土砂崩れのため車両通行禁止となっている。
 身支度を整えていると1台のワゴン車がゲートを移動し進入。通行止めの看板を移動して進入するなんてどういう神経!
 7時45分出発。短いトンネルを抜けると広河原登山口、8時12分着。遭難碑がある。先ほどのワゴン車が停まっていた。
 河原に降りて丸太橋を渡る。数年前ここで女性が徒渉に失敗して命を落としている。今日はおとなしい普通の流れ。

 


7時46分
臨時駐車場はこの左脇 20台位駐車可


8時14分
丸太橋で対岸に渡る
 深い森の中、尾根に取り付く急登が始まる。道はしっかり踏まれていて歩きやすい。もともとは営林署の作業道だったらしい。
 標高1580M地点で1回目の小休止、8時45分。1時間で4百M登った計算。樹林帯で展望はないが晴れ間が出てきたのが分かる。天気予報では夕方から雨である。
 急登が一段落しやや下り坂となる。1716M地点を過ぎ背後に麓の集落が見えてきた。遠くの山は夏雲の中。


9時25分
1716M付近で


9時42分
すっかり晴れ上がった
 カンカン照りのササ原は避け、樹林に入ったところで2回目の休憩、9時50分。園原のスキー場よりも高い位置まで上がってきている。
 10時28分、阿智国有林の看板のある広場、看板はかなり年季が入っている。『あと20〜30分』の手書きの文字が読める。
 中部森林管理局の境界標識が所々に出てくると岐阜県境である。
 10時50分、一等三角点のある頂上はササとヒノキ、ブナなどの高木で展望はない。三角点とは別に最高点があるのでそっちへ向かう。

 11時、真新しい建物があった。トイレである。手前の砂場に浄化の秘密があるらしい。避難小屋もきれいだった。あたりは草原になっていて気持ちがいい。
 途中、ちいさい社を2つ見つけた。信仰の山である。
 なかなか最高点に着かないなと思っていたら突然カナヅチの音。5,6人の地元の人が新しく社を作っていた。白木の材木を組み立てていた。
 じゃまにならないように挨拶を交わしてすぐ横を通り抜けた。下ったあとこんもりとした森の高まり。最高点のある場所か?

10時53分
一等三角点のある山頂

11時02分
きれいな山頂避難小屋
 11時25分前宮登山道分岐の看板のあるところに出た。前宮登山道と言うのは地図に載っていないルート。地図ではここで道が直角に右に曲がっているだけ。
 展望は結局なかったがここで昼食。どうやらさっきのお宮建築現場が最高点だったらしい。晴れてはいるが時々ガスが出てきた。
 夕方から雨、の予報を思い出し11時55分出発。
 最初は急坂。神坂峠まで続くメインルートだが浮石が多く歩きにくい。この道を「富士見台縦走路」という。看板には糸へんのない「従走路」とかいてあった。

 赤いガレ場の天狗なぎを過ぎそろそろ休憩、と思ったら最初の雷鳴。13時。まだ夏の太陽が出ていて暑いが先を急ぐ。
 13時15分大判山通過。
 13時35分稜線を外れ、樹林帯に入ったところで休憩。水分を補給し出発しようとしたら雨が降り出す。雨具を着け歩こうとしたが雨脚が一気に強まる。ツェルトをかぶり雨宿り。
 14時40分雷光。落雷と言うよりも雲間放電というやつ。ゴロゴロと雲の中を雷公が走り回っている。約1時間、生きた心地がしない。
 15時35分雷雨が峠を越えたので出発することにした。

12時40分
天狗ナギという崩落地
 





13時13分
大判山から恵那山 雷雲かかる 

13時52分
こんな所で2時間退避
 歩きはじめて10分で鳥越峠。左右に林道への近道があったがササを刈り払っただけの歩きにくそうな新道。遠回りだがここは古くからある縦走路で最後のピークを越え林道に出るほうが安全と判断。「急がば回れ」だ。
 最後のピークは意外に標高差があったが笹原の穏やかなピーク、360度の展望。雷鳴が収まっていないので休めない。
 右に曲がる。標識はないがフミアトはしっかりとある。道なりに左に曲がると背丈を没するササとなる。ほとんど歩かれていないと分かるが、もう林道が見えている。200Mほどササをかき分け舗装路にでる。
 16時20分。やれやれ終わった、という気持ち。ここから駐車場まで7Km、2時間程だ。
 濡れた雨具を手でかざしながらのんびり歩いていると背後からエンジン音。振り向くと「通行許可証」を貼った軽トラック。水戸黄門の葵の印籠である!
 親切な地元の人に出会ったお蔭様で明るいうちに昼神温泉に浸かることが出来た。終わりよければすべてよし。結果オーライである。

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